MiniMaxは2026年10月19日、新しいAIモデル「MiniMax M3.1 Flash」を正式公開しました。
公式発表には「入力・出力単価がM3標準料金比で50%低い」と読める価格表と、「agentic task全体の利用コストが70%低い」という説明が並んでいます。
ここで気になったのは、50%と70%が同じ「値下げ率」に見えやすいことです。結論から言うと、50%減はtoken単価の比較、70%減は作業全体についてMiniMaxが示したメーカー評価です。
APIの基本料金は入力$0.15、出力$0.60
MiniMax M3.1 Flashのpay-as-you-go API料金は、100万tokenあたり次のとおりです。
- 入力:$0.15
- 出力:$0.60
- cached input:$0.015
従来のMiniMax M3には入力長による料金区分があります。入力512K tokens以下のstandard料金は入力$0.30、出力$1.20なので、同じ区分の単価だけを比べるとM3.1 Flashは入力・出力とも50%低くなります。
これはあくまでtoken単価の比較です。税、為替、決済条件、実際の使用量まで含む日本円の最終請求額ではありません。
「作業コスト70%減」は価格表の値下げではない
MiniMaxは公式発表で、agentic tasksのoverall usage costが従来モデルより70%低いと説明しています。
agentic taskでは、AIが一回答えて終わるとは限りません。情報を確認し、toolを呼び、結果を見て、必要なら再試行します。そこで使うtoken量、tool call、再試行の回数によって、1つの仕事を終えるまでの総コストが変わります。
したがって、MiniMaxが示す70%減は「API価格表を70%値下げした」という意味ではありません。今回、同じ仕事をM3とM3.1 Flashへ実際に依頼して請求額を比較したわけでもありません。
「誰が使っても必ず70%安くなる」とは扱わず、MiniMax側の評価として読む必要があります。
token単価と1仕事の総額は分けて見る
AI APIの請求額は、単価だけでは決まりません。同じ仕事でも、次の量が変わる可能性があります。
- 入力token
- 出力token
- thinkingで使うtoken
- tool call
- 再試行
- cacheの利用
単価が半分でも、必要な出力や再試行が増えれば、総額差は小さくなるかもしれません。反対に、少ないtokenや少ない再試行で終えられれば、task全体では単価差を超えて総コストが下がる可能性もあります。
今回の50%と70%は、「1 tokenいくらか」と「1仕事いくらで終わるか」の違いです。
M PlanとAPI、thinking設定を混同しない
MiniMaxにはsubscription型の「M Plan」もあります。これは、使った量に応じて課金されるpay-as-you-go APIとは別の料金経路です。
API単価が50%低いことは、自分のM Plan月額料金が50%下がったという意味ではありません。M Planを使う人はplanのusage quotaやcredits、APIを使う人はinput / output / cached inputの実際の利用量を確認します。
Anthropic互換APIを使う場合はthinking設定にも注意が必要です。確認済みの公式仕様では、M3.1 Flash系でthinkingを無効化すると400 errorになります。また、max_tokens は最終回答だけでなくthinkingを含むoutput budgetです。
既存のintegrationでmodel名だけを差し替えるのではなく、reasoning設定とtoken budgetも一緒に確認する方が安全です。
速度とweightsは、まだ確認範囲を分ける
MiniMaxはonline inferenceが従来より約3倍速いと説明し、output speed 200+ TPS、P50 170+ TPSという数値も掲載しています。ただし、これらはメーカー公表値です。
利用地域、混雑、prompt長、output量、tool利用などで実際の速度は変わります。本人環境で実測していないため、「自分の仕事が3分の1の時間で終わる」「必ず3倍速い」とは言えません。日本語での品質も未検証です。
model weightsについては、公式発表が「後日公開」と案内しています。2026年10月20日07時台の確認範囲では、具体的な公開日とlicenseは確定情報として扱いません。ローカル運用を考える場合は、weights公開後にlicenseと必要環境を改めて確認する必要があります。
今日確認することは、自分の料金経路
M3.1 Flashを使おうと考えている人は、まず自分がどの料金経路を使うのか確認します。
pay-as-you-go APIならusage画面でinput / output / cached inputを見る。M Planなら、自分のplanのusage quotaやcreditsを見る。最初はこれだけで十分です。
そのうえで、「token単価が安い」と「自分の1仕事の総額が安い」を分けて比べると、50%と70%という数字に振り回されにくくなります。
公式出典
MiniMax「MiniMax M3.1 Flash: Redefining Agent Performance and Cost」(2026年10月19日)

MiniMax「Pricing Overview」

MiniMax「Anthropic API compatibility」

確認日時:2026年10月20日 07時台 JST


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